一本のクレーム電話。相手は女性だ。わたしは淡々と受け答えをしていた。
長々と続くクレーム電話。そろそろ終わりかな、と思ったとき、女性はこう私にいった。
「呪ってやる。」
私は気にもとめなかった。ああ、ひどいクレームだなあ、今日は災難だ。そう肩を落とし帰路につく。
家に帰り、姉が用意してくれていた遅めの夕食を、これまた遅くまで待っていてくれた姉と一緒にとる。
そういえばさ、聞いてよ!
食事の合間に姉に今日とったクレームの話をする。
最後には呪ってやるとか言われたんばい!やばいよねー。と笑い飛ばしてじゃがいもを口に運ぶ。
なんて
あと一歩で口に入るところだったじゃがいもは姉のそのいつもとは違う声で無念にも皿へと戻る。
まさか、呪われたと?
いやいや、冗談っていうか頭に血が上ってそういわれたんばい
実は....わたしも前呪われたんよ...
え?
ただならぬ雰囲気の姉。すでに箸は皿へと置かれている。
いや、冗談でほんとばい!
私の声をかき消すように姉が大きな声を出す。
まさか。そんな非現実的なことがおこりうるのだろうか。ましてや電話口。相手の顔もわからないし何よりその一言だけで呪いなんてかかるのだろうか。だが、姉の表情は真っ青だ。

え、ちょっとまって。じゃあ、その呪いってなに?
恐る恐る聞いた質問にかえってきたのは
「たまごが食べれんくなる呪い。」
なんだって!え、ちょっと待ってほんと?ほんとばい。実は私、たまご今でも食べれんとよ。
え、だっていつも食べよったじゃん!食べれるけど食べたら毎回体中がかゆくなって吐いてしまうんよ。
え....うそだろ...じゃあケーキも卵焼きも食べれんじゃん!
それだけじゃないばい。バームクーヘンも、ゆで卵も、全部全部。
いやだ!そんなのいやだ!しかたないたい!呪われたんだけん、もうどうしようもできん!
ウソでしょ.....いやだあああああああ


という夢をみたのだと、昨晩妹が興奮気味に帰り道話してた。あほだろと思った。
さあ、今夜はオムライスにでもしようかね。ひっひっひ